【第2回】
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■ストーリーとパチスロ演出が密接にリンク!
ロデミ:
今回はパチスロ実機の演出についても、ストーリーにスポットを当てた内容になっているように思います。なにか意図はあったのでしょうか?

バンジージャンパー:
はい。もともと今回はオリジナルストーリーでやるということが決まっていた企画だったのですが、そうした場合、アニメや漫画などの原作がある台と違って、プレイヤーに事前に世界観を知って頂くことが難しくなります。よって、できるだけ実機の演出上で世界観を伝える必要があったんですね。その方法として、ストーリーをミステリー仕立てにして演出に盛り込み、プレイヤーの興味を引きつつ、世界観を知って頂けるように工夫しました。

また、実機を補完する形でマイスロでの小説展開も当初から想定していました。理想としては、まず最初にマイスロですぐに読める冒頭10話分をご覧頂いて、世界観の概要を掴んで頂き、その後、実機を打ったときに、小説で出てきた演出をみたり、逆に実機の演出を見た後、小説で同じシーンを読んで頂いたりして、相互に楽しんでもらえればいいなと考えています。

ロデミ:
ストーリーとパチスロ上の演出がリンクしている本作ですが、実際の開発はどのように進めていったんですか。

バンジージャンパー:
基本的にそれぞれ同時に進んでいった感じです。最初に大枠の演出はあったので、それを踏まえてパンダ五号さんの方でストーリーを作ってくれましたし、そのストーリーを見て実機の演出を深めていくという作業をしていました。やはり、オリジナルの場合、ストーリー上と演出が無理なく連動させることができるので、より演出に厚みを持たせることができたと思います。
 

たい焼きさん:
液晶演出を作る立場からみても、その演出のためだけに唐突な映像を作ると整合性がとれなくなるので、やはり、大きなストーリーの根幹のようなものを意識していくということは大事なことです。例えば、今回は通常ゲーム中の日常的な演出の中に謎のヒントがあって、バトルなどの事件を経つつ、ARTでは、丈児とジョーカーが対峙しながら、徐々に徐々に真相に近づいていくという、ゲーム性とストーリーラインがリンクしたつくりになっています。プレイヤーに、遊技しているだけでもストーリーを分かって頂くためには、映像だけでなく、言葉一つひとつについても真剣に検討していく必要があり、そのためには厚みのある物語設定があることが重要になります。

バンジージャンパー:
安易に作ろうとすれば、バトルして、勝ったらどうなるの?財宝があっておしまい?みたいな、展開になるわけですよね。でもやっぱり、開発者としては、それなりにしっかりとしてストーリーをつくり、検証を重ねて、そこから先のことを考えなきゃいけなくてはならない。我々としては、今回濃いストーリーを用意することでプレイヤーの期待に応えたいと思いました。
■75ゲーム間続く、エンディング演出は必見!
ロデミ:
今回の機種はARTが続いた先に、かなり長尺のエンディングが用意されていますね。

たい焼きさん:
そうですね。今回はストーリーの行き着く先に、いままでにないくらいのサプライズを用意したいと考えまして、7分程度の長尺なアニメーションを作りました。

バンジージャンパー:
やはり、エンディングまで辿りついたプレイヤーは感無量な想いを抱くはずなんですよ。そのエンディングが短いよりは、今回の旋風の用心棒のように75ゲームを使った長尺の映像が流れれば、大きな達成感もありますし、その間、周りの人にもアピールできますので、ある意味、ドヤ顔できる瞬間でもありますよね。

ロデミ:
パチスロって、ドヤ顔できる幸せってありますからね。
■旋風の用心棒はマイスロにも注目!
パンサー:
今回マイスロで配信されるケータイ小説は、オリジナルストーリーを知るには一番良い方法だと思いますが、なにか小説にする際のこだわりはありましたか。

パンダ五号:
はい。マイスロでの小説については、単に小説としての内容だけではなく、マイスロで配信して一番読みやすいように、用語や漢字の使い方にこだわりました。大手出版社で使用している表記に関するガイドラインよりも、さらに一段階わかりやすくした基準を設けて、幅広いプレイヤーにストレスなく読んで頂くようにしました。マイスロ上では、最初の10話分はすぐに読むことができ、その先のストーリーは、ゲーム数を増やすことで読めるようになるんですが、各話ごとの区切りについても、次話が楽しみになるように配慮して何度も修正を加えました。

パンサー:
特に小説の中で気に入ったシーンなどはありますか?

パンダ五号:
ネタバレになるので、あまりいえないのですが、みゆきがバニーガールの格好になるシーンがあるんですよね。そこでなにを感じてほしいかといいますと、みゆきの「けなげさ」ですね。そこに思いを込めてみました。それと、小説には挿絵がありますので、映像をイメージしながら読みやすい内容になっていると思います。

パンサー:
注目はみゆきですね(笑)小説の配信以外にもマイスロで注目する点はありますか?

パンダ五号:
はい。今回マイスロ新機能として、『マイカウンター』機能がついたので、プレイヤーにとって非常に便利になりました。

パンサー:
マイカウンターとはどういった機能でしょうか?

パンダ五号:
はい。今までのマイスロ機では、ログインした後、鬼攻略のデータを見るのに、いちいちログアウトしないと今の台の状況がみれなかったんです。今回の旋風の用心棒では、ログアウトすることなく、いつでも台の状況をみることができるんですね。この新機能をマイカウンターと呼んでいます。  具体的なメリットとしては、例えば「3000ゲーム続けてプレイする」といったミッションがあった場合でも、途中でミッションを中断することなく、手軽にゲーム数など確認できたり、小役カウンターの代わりに気軽にご利用頂くなど、これまで以上にストレスなくマイスロを活用して頂けるようになっています。

ロデミ:
今回のマイスロはカスタムできる箇所がいままでの機種以上に多いそうですね。

パンダ五号:
はい。今回は称号、メーター、マップなどいままで以上にカスタムできる箇所が増えていますね。それだけでなく当然、壁紙や着メロなどのコンテンツも充実しています。

ロデミ:
それは、特にみゆきが多めになってるということはないですよね?

パンダ五号:
・・・実際、みゆきは多めかも知れません(笑)ただ、個人的な趣味ではなく、ヒロインという立場から演出頻度も高いのでバランスを考えるとしかたありません!

ロデミ:
みゆきの話をするとホントニコニコしてくれますね(笑)
■リール変動〜自分だけがわかる嬉しさを追求
パンサー:
今回、機械性能については、リール逆回転する「リバース」変動というのが一つの売りですが、どういった経緯で採用されたんですか?

バンジージャンパー:
「リバース」変動は、前兆状態を示唆する演出で、リールが逆回転してピクッと動く演出ですね。最近というか、5号機になって、リール変動を使った台が増えてきたときに、4号機のキングパルサーを振り返ってみたんですね。あれって、ドット機のくせに、たまにバウンドストップが来るとアツイじゃないですか。あれが受けた理由はそこなんですよ。地味なくせに、なぜあそこまで受けたかいうと、やはり回胴本来の持つ良さ、シンプル・イズ・ベストなんですよ。

そのように考えた時に、シンプルに動かして、なおかつその先になにかがあるぞ!という期待感を保つことができる演出を求めていて、行き着いたのが今回の「リバース」変動なんですね。さりげないけどアツイ。それが自分のやりたかったことなんです。今回は、液晶とリールは完全に別個に動かしているので、液晶でなにもなくても、リールがピクッと動くと、アナログチックな魅力があるんですよね。僕は煽られすぎちゃうとだめなんです。自分だけがわかる嬉しさ。そこに思いを込めてみました。・・・みゆきじゃないけどね(笑)

ロデミ:
バンジージャンパーさんとパンダ五号さんはすごく対称的ですよね(笑)一方はベタで一方はマニアックと言いますか(笑)

パンサー:
特徴について続けてお聞きしますが、今回のARTの特徴である、上乗せゾーンの「鬼旋風」「神旋風」を搭載した理由はなんですか?

バンジージャンパー:
簡単にいうと興奮する状態を作りたかったということですね。人間の平常状態にはアルファ波が多く出現し、リラックスした状態になります。それがある事象を受けて刺激を受けたときに、ベータ波が出現する事がわかっています。その時のベータ波の出現量が大きければ大きいほど人間は興奮を覚えるらしいのですが。この機種の場合は、ある演出が発生しその課題をクリアした時に、ARTの上位状態である「鬼旋風」「神旋風」に入るという気合いの入るポイントを作ることで、より一段と興奮していただけるのではないかと考えました。

パンサー:
小役チャンスゾーンである「旋風の兆し」「旋嵐の兆し」については開発上工夫された点などはありますか?

バンジージャンパー:
これは、小役7連という初代旋風の用心棒にあったあのシステムを実現させるために作ったチャンスゾーンなんですよ。このチャンスゾーンでは、リプレイ確率を上げて、実際にリプレイを揃えやすい状態しています。そうしないと7連はめったにでないんですよね。初代は常に小役が立っていて、ハズレが無い状態だったんですよ。そこをATさせてあげることで7連させてストック開放させていたんです。ただ、5号機ですとそういった仕様はできないので、じゃあどうやって実現させるかというときに、リプレイ確率をあげてハズレを少なくしてあげてプレイヤーの己のカンによって7連してARTに突入して頂こうというのが「旋風の兆し」「旋嵐の兆し」ですね。

パンサー:
みえない工夫がなされているんですね。

バンジージャンパー:
その他こだわった点としては、「旋風の兆し」と出た後に、ちょっと間を置いて「否!、旋嵐の兆し!」というようになってるんですよ。そこが一番の楽しみどころかも知れません。「否!」っていわせたかったんです(笑)そのために、わざわざリプレイ後にウエイトを作って気合いが入るようにしているんですね。実際、これの信頼度は40%くらいありますから、アツイ瞬間だと思います。
(こだわりのタイミングは是非、実機で!)

パンサー:
全体を通して特にプレイヤーに一番楽しんで頂きたいところはなんですか?

バンジージャンパー:
やはり一番は「旋風の兆し」ですよね。兆しって3択でハテナを当てるんですけど、昇格チャンスとかナビとか実はいろんな所に、チャンスが眠ってまして、単純にみえるんですけど、実は奥深い作りにしています。ここでは具体的にいえないんですけど、是非、実際打って頂いてその辺を探ってもらいたいなと思います。後は、通常に訪れるレア小役ですよね。まあ、レア小役を引くとね、だいたいARTに入るチャンスの状態に入るんですけど、そこで液晶演出がでなくても、リールがピョコン!と「リバース」変動が起こったときの、ドキッとする感じ、そこを楽しんでほしいですね。特に、2回ピョコン!ピョコン!ときた後、ちょっと間をおいて・・・ピョコーン♪とかきたりして。そういった間もわざわざ作っているので、アナログ的な、マニア的な要素として楽しんでほしいなと思いますね。

パンサー:
このインタビューを読んでいる人だけにわかるマル秘情報など教えて頂きたいですが、何かありますか?

バンジージャンパー:
わかりました。旋風(or旋嵐)の兆しチャンス中についてなんですが、普通は、最初何回かは、ナビが入るようになってるんですよね。そこで、逆にハテナだとかでてきた時に「ナビなしかよ!うわぁこれクソ台じゃねーか!」って思わないでほしいんです。実は一発昇格するチャンスがそこには眠っているんですよ。

パンサー:
もう一つくらいよろしいでしょうか・・・?

バンジージャンパー:
しかたないですね(笑)旋風チャンス中についてなんですが、初代、旋風の用心棒でATの旋風チャンス中は、ナビなしがアツかったんですよ。今回の旋風チャンスにも、ナビなしがアツイところがあるんです。それはどこかというと「鬼旋風」「神旋風」のところです。そこで、ナビがないというのは、実はアツイんです。それはすなわち、レアな小役が成立している可能性が高いということなんです。

パンサー:
なるほど〜!貴重な情報ありがとうございました!
■開発スタッフに求める資質は?
ロデミ:
開発スタッフの皆さんは、個性的な人が多いのでビックリしましたが、そもそも開発スタッフに向いている人ってどんな人なんでしょう?

パンダ五号:
やっぱり、パチスロが好きな人でしょうかね?

バンジージャンパー:
うーん、そうだねぇ、パチスロ好きで、かつ、頭の中で考えて打ってる人じゃないとダメですね。ただ単に、受け身の姿勢で「今日勝ったなー、良かったなー」っていってる人は絶対無理です。逆に、勝とうが負けようが「なんで、こんな作りにしたの?俺だったらこうやるのに!」って思うことが大事ですね。

パンダ五号:
技術のスキルが高いことも大事ですけど、何かに特化している人は重宝されると思います。例えば、アニメ系に強いだとか、ドラマ系が好きとか。そういう人は得意の分野の題材が来たときに、「じゃあ君、担当やってみれば?」ってことになりますよね。ですので、世の中に「マニア」といわれているものはウチの会社では非常に大事な「才能」という言葉に変わると思いますね(キリッ

バンジージャンパー:
なにを急にまじめに答てるんだ(笑)

パンダ五号:
いや、まじめに答えとかないと、僕のイメージが間違って伝わっちゃうじゃないですか(笑)

ロデミ:
手遅れかもしれません・・・(笑)たい焼きさんのように映像作りに携わるスタッフの場合はどうなんでしょう。

たい焼きさん:
もちろん、アニメも好きだし、映画も好きだし、なにより自分でこういうカッコイイ映像を作ってみたいと思ってないとだめですね。ただ、大きい会社なので、チームプレイができる人でないとだめかも知れません。

パンダ五号:
自分達のような企画屋なんかだと、自己主張が強い人が多いイメージがあるかもしれませんけど、逆に最近だと、周りのスタッフの方が自我が強くて、比較的クッション役になる人も多いですね。

バンジージャンパー:
え、それはどうかな・・・?

ロデミ:
既にこの場でもいろんな人がいるみたいですね(笑)

バンジージャンパー:
まあ、人それぞれですよね。自分なんか比較的年長なので、一緒に組むのが下の奴らがほとんどなんですが、例えば、プログラマーに「こういうことやりたいんですよ?」っていったときに、「うわ、それ面倒くせぇこと持ってきたなぁ」ってなることもあるんですけど、でも「いやあ、でも、こうした方がいんじゃない、お前」みたいなノリで、結局はやってもらいますね。

ロデミ:
結局、言いくるめるみたいな(笑)

バンジージャンパー:
そういう奴もいます(笑)でも、下の方の子達は、意見を曲げずに「俺はこうしたいんです!」っていってくる奴らがウチには集まっていますね。そこで折れちゃうと、本当にトレンドを牽引するようなヒットする台は作れないです。やっぱり、自分の中の大きな柱があって、そこに向かって仕事をするっていうのが大事ですね。

ロデミ:
開発者になるのは大変なんですね。ロデオ社員としてもパチスロについての想いが少し変わった気がします。

パンサー:
本日は貴重なお話いただきまして、ありがとうございました。

開発スタッフ一同:
ありがとうございました。


<おわり>